エレキギターにおける弦アースの考え方

EMG社は、「弦アースなどというものは大変危険であり、アンプ側でトラブルがあった時に、プレイヤーが感電死しないように、弦アースをやめろ」と、登場当初から主張しているそうです。

では、弦アースは何のためにあるのか?

よくある間違いとして、「人体がグランドに落ちているから、ギターのグランドを人体に接続することで、音が出るのだ」みたいなのがありますが、違います。

なぜなら、弦を触らなくても、アンプのグランドとギターのグランドが繋がっていて、それで既に音が出ているからです。

じゃあ、なぜ人体を弦アースにつなぐのか?それは、人体は導体であり、しかも体積が巨大で、周囲の電磁波を拾ってきて放射してしまう、ノイズアンテナだからです。

弦アースを触るとノイズが消えるのは、「人体から出ていたノイズが、アンプのグランドに捨てられた」ことで起きています。

これには客観的な証拠があり、たとえばPUトグルスイッチ、ボリュームポットの端子、出力ジャックの端子など、シールドされず剥き出しになっている回路要素を、銅箔や導電塗料で囲って隔離すると、弦に触らなくてもノイズがほとんど無くなります。

この状況であれば、EMG社の言う通り、弦アースを排除する事が可能になります。

逆に言うと、ピックアップだけをEMGに交換しても、前述のシールドされていない要素がある場合は、せっかくのローノイズなEMGに配線・スイッチ部分でノイズが乗ってしまい、弦アースを触らないとノイズが出続ける、という台無しな事態が発生します。

全部のポットをファラデーケージ(シールドの箱)につなぐのが、正解とは限らない

たとえば、GibsonのレスポールやSGの配線を見ると、ポットの背面同士を配線材でつないであります。まず、ここにグランドの回路が1つあります。

そこで、銅箔や導電塗料を使ってキャビティ全体をグランドに落とす処置をします。何も考えずに施工すると、出力ジャック、ボリュームポット2つ、トーンポット2つ、トグルスイッチの6点でキャビティと接することになります。

この状態だと、グランドの回路が7つ以上あることになり、しかもポットと配線材の間でコンデンサーが形成され、すごく変な音に変化します。「ハイ落ち」というより、特定の周波数がブーストされ、他がえぐれた感じます。共振周波数が下がっている、というそうです。

これを、渦電流が発生している状態、と呼ぶそうです。

これを解消するには、一点アースにする必要があります。Geminiの受け売りですが、私は

だけを銅箔につなぎ、ポットを受かせたところ、ハイ落ち(変なサウンドへの変化)は解消しました。実際実験してそうだったので、もし「ノイズ対策をしたら、音が変わってしまった」という場合は、ポットとキャビティの間にレシートなどの絶縁体をはさむことで、改善するかもしれないので、試してみてください。

Fenderは逆に渦電流を活用して音を作っている